捻挫したけど歩ける…でも痛い！その痛み、放っておいて大丈夫？原因と対処法を解説

「捻挫したけど歩けるから大丈夫」そう思っていませんか？実は、歩けるのに痛い捻挫は、放置すると悪化し、後遺症に悩まされる可能性もあるんです。この記事では、歩けるけど痛い捻挫の症状や原因、適切な応急処置であるRICE処置、自宅でのケア方法、そして予防策までを分かりやすく解説します。捻挫の程度を見極め、適切な対処をすることで、早期回復を目指しましょう。この記事を読めば、捻挫への不安が解消され、安心して日常生活を送れるようになります。

1. 捻挫したけど歩ける…でも痛い！それって大丈夫？

捻挫は、関節を支える靭帯が損傷した状態です。歩けるからといって軽視していると、後々痛みが慢性化したり、関節が不安定になる可能性があります。適切な処置を行わないと、日常生活に支障をきたす場合もあるので、決して甘く見てはいけません。

1.1 歩けるけど痛む捻挫の症状

捻挫にも程度があり、歩ける程度の捻挫の場合、軽度から中等度の捻挫である可能性が高いです。主な症状としては以下のようなものがあります。

• 局所の痛み：患部に触れると痛みを感じます。歩いたり体重をかけたりすると痛みが強くなります。
• 腫れ：損傷した靭帯周辺が腫れてきます。内出血が起こり、皮下出血として青紫色に変色することもあります。
• 熱感：患部が熱を持っているように感じます。炎症反応によるものです。
• 関節の不安定感：関節がぐらつく、脱臼しそうになるなど、不安定な感じがする場合があります。特に中等度以上の捻挫で起こりやすい症状です。
• 機能障害：痛みによって関節の動きが制限されることがあります。日常生活動作に支障が出ることもあります。

1.2 捻挫を甘く見てはいけない理由

「歩けるから大丈夫」と安易に考えて放置してしまうと、様々な問題を引き起こす可能性があります。例えば、

このように、捻挫を甘く見ると、後々に大きな問題につながる可能性があります。少しでも痛みや違和感を感じたら、自己判断せずに適切な対応をすることが大切です。たとえ歩けても、適切な処置とケアを行うことで、後遺症のリスクを減らし、早期回復を目指せます。

2. 捻挫のメカニズムと原因

「捻挫」とは、関節をひねったり、伸ばしたりすることで、関節を支えている靭帯や関節包が損傷した状態のことを指します。靭帯は骨と骨をつなぎ合わせ、関節の安定性を保つ役割を担っています。無理な力が加わることで、靭帯が伸びたり、部分的に断裂したり、完全に断裂したりすることで痛みが生じます。

2.1 捻挫はどうして起こるの？

捻挫は、関節に通常よりも大きな負荷がかかった際に発生します。例えば、足首を内側にひねってしまう、階段を踏み外す、スポーツ中に急な方向転換をする、などが代表的な例です。また、平坦でない地面を歩行中に足をひねったり、段差につまずいたりするといった日常動作でも捻挫は起こりえます。

靭帯は、ゴムのように伸縮性を持つ組織ですが、その限界を超えた力が加わると損傷してしまいます。 これは、強い衝撃が一度に加わった場合だけでなく、小さな力が繰り返し加わることでも起こり得ます。例えば、長時間の歩行や立ち仕事、偏った姿勢なども、靭帯への負担を蓄積させ、捻挫のリスクを高める要因となります。

2.2 捻挫しやすい動作や場面

捻挫は、日常生活の様々な場面で起こり得ますが、特に以下のような動作や場面では注意が必要です。

これらの動作や場面では、足首や膝などの関節に大きな負担がかかりやすいため、捻挫のリスクが高まります。 特に、スポーツ中は激しい動きや接触などが多いため、十分な準備運動と適切なフォームを意識することが重要です。また、日常生活においても、足元に注意を払い、転倒や足首のひねりを防ぐように心がけましょう。

3. 捻挫の応急処置 RICE処置

捻挫をした直後は、適切な応急処置を行うことが重要です。適切な処置を行うことで、痛みや腫れを抑え、回復を早めることができます。捻挫の応急処置の基本は「RICE処置」です。RICE処置とは、Rest（安静）、Ice（冷却）、Compression（圧迫）、Elevation（挙上）の4つの処置の頭文字をとったものです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

3.1 R：安静（Rest）

捻挫した関節は、できるだけ動かさないように安静にすることが大切です。患部を動かすことで、損傷した靭帯への負担が増し、症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。歩ける場合でも、なるべく患部を安静にして、負担をかけないようにしましょう。松葉杖やサポーターなどを利用するのも有効です。

3.2 I：冷却（Ice）

捻挫直後から約48時間以内は、15～20分程度を目安に、患部を冷却しましょう。冷却することで、痛みや腫れ、炎症を抑える効果が期待できます。氷水を入れたビニール袋や保冷剤などをタオルに包んで患部に当てます。凍傷を防ぐため、直接皮膚に当てないように注意してください。

3.3 C：圧迫（Compression）

弾性包帯などで患部を適度に圧迫することで、内出血や腫れを抑えることができます。圧迫しすぎると血行が悪くなるため、締め付け具合に注意しながら行いましょう。指先の色や感覚が変化した場合は、包帯を緩めてください。就寝時は包帯を外しましょう。

3.4 E：挙上（Elevation）

患部を心臓よりも高い位置に挙上することで、重力によって患部への血液の流れが減少するため、腫れや内出血を抑える効果があります。クッションや枕などを利用して、楽な姿勢で患部を挙上しましょう。安静時だけでなく、可能な限り挙上を続けることが大切です。

RICE処置は、捻挫の応急処置として非常に重要です。これらの処置を適切に行うことで、痛みや腫れを軽減し、回復を早めることができます。ただし、RICE処置はあくまで応急処置です。RICE処置を行っても痛みが続く場合や、症状が悪化する場合は、医療機関を受診しましょう。

4. 捻挫の程度とそれぞれの症状

捻挫は、靭帯の損傷度合いによって、軽度、中等度、重度の3段階に分類されます。それぞれの症状を理解することで、適切な対処をすることができます。

4.1 軽度捻挫

軽度捻挫は、靭帯が少し伸びたり、微細な断裂が生じている状態です。痛みは比較的軽く、腫れも少ないのが特徴です。歩行は可能ですが、患部に違和感や軽い痛みを感じることがあります。

4.2 中等度捻挫

中等度捻挫は、靭帯の一部が断裂している状態です。軽度捻挫よりも強い痛みと腫れがあり、内出血がみられることもあります。歩行は可能ですが、痛みのため困難な場合もあります。関節の不安定感も感じることがあります。

4.3 重度捻挫

重度捻挫は、靭帯が完全に断裂している状態です。非常に強い痛みと腫れがあり、内出血も広範囲にわたります。歩行は困難で、関節が不安定になり、動かすことができません。靭帯以外の組織も損傷している可能性があります。

これらの症状はあくまでも目安であり、個々の状況によって異なります。自己判断せず、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。

5. 病院は何科を受診すればいい？

捻挫の治療は、整形外科を受診するのが適切です。

整形外科では、捻挫の程度を正確に診断し、適切な治療方針を決定してくれます。レントゲン検査で骨折の有無を確認したり、MRI検査で靭帯や軟骨の損傷の程度を詳しく調べたりすることも可能です。

また、捻挫の治療に精通した医師がいる医療機関であれば、より専門的な治療を受けることができます。特に、スポーツによる捻挫を繰り返している場合や、痛みが長引く場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

どの医療機関を受診すれば良いか迷う場合は、まず近くの医療機関に電話で問い合わせて、捻挫の診療が可能かどうかを確認することをおすすめします。

6. 捻挫したけど歩ける場合の自宅でのケア

捻挫は歩ける程度の軽度な場合でも、適切なケアを怠ると痛みが長引いたり、後遺症が残ったりする可能性があります。自己判断で放置せず、適切な処置を行いましょう。

6.1 痛みが続く場合の対処法

応急処置後も痛みが続く場合は、以下の方法を試してみてください。

6.2 日常生活での注意点

捻挫した足を過度に負担をかけないように日常生活を送ることが大切です。以下に具体的な注意点をご紹介します。

• 長時間の歩行や立ち仕事は避け、できるだけ患部を休ませましょう。
• 階段の上り下りでは、手すりを使うなどして転倒に注意してください。
• 入浴時は、患部を温めすぎないようにしましょう。シャワー浴がおすすめです。
• アルコール摂取は控えましょう。アルコールは血行を促進するため、腫れや痛みを悪化させる可能性があります。

6.3 やってはいけないNG行為

捻挫の回復を妨げるNG行為を以下にまとめました。これらを避けることで、よりスムーズな回復を目指せます。

これらのケアを適切に行っても痛みが引かない場合や、症状が悪化する場合は、医療機関への受診を検討してください。

7. 捻挫の予防方法

捻挫は一度経験すると、癖になりやすいと言われています。再発を防ぎ、快適な日常生活を送るためにも、捻挫の予防策をしっかりと理解しておきましょう。

7.1 捻挫しやすい人の特徴

捻挫は誰にでも起こりうるものですが、特に以下のような特徴に当てはまる方は捻挫しやすい傾向にあります。

7.2 捻挫を予防するための対策

捻挫を予防するためには、日頃から以下の点に注意することが大切です。

これらの対策を意識的に行うことで、捻挫のリスクを軽減し、健康な体を維持することができます。日頃から心がけて、快適な生活を送りましょう。

8. 捻挫の回復期間

捻挫の回復期間は、捻挫の程度や個人の状態、適切な処置が行われたかどうかによって大きく異なります。軽度の捻挫であれば1～2週間程度で痛みが軽減し、日常生活に支障がなくなる場合が多いですが、中等度以上の捻挫では数週間から数ヶ月かかることもあります。

適切な処置とケアを行うことで、回復期間を短縮し、後遺症のリスクを減らすことができます。

8.1 捻挫の痛みが長引く原因

捻挫の痛みが長引く原因には、以下のようなものが考えられます。

痛みが長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

また、捻挫を繰り返すと、関節が不安定になりやすいため、再発防止のためにも、適切なリハビリテーションを行うことが大切です。医療機関の指示に従い、ストレッチや筋力トレーニングを行い、関節の安定性を高めましょう。

9. まとめ

歩けるけど痛い捻挫、安易に考えていませんか？この記事では、歩けるから大丈夫と自己判断せず、適切な処置の重要性について解説しました。捻挫は、関節を支える靭帯が損傷する怪我です。軽度であっても、適切なRICE処置を行わないと痛みが長引いたり、後遺症が残る可能性があります。程度によっては、靭帯が完全に断裂している重症の場合もあるので、自己判断せず医療機関への受診も検討しましょう。日常生活での注意点や予防策を参考に、健康な足を維持してください。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。